投稿者: naomi88nana

kintoneでの被災状況共有のやり方紹介

非常通信協力会・都筑区支部では、kintone で情報共有を始めていますが、その中で今回は「被災状況の共有」について紹介します。

kintone はPCやスマホからアクセスできますが、外での使用を想定し、スマホからのアクセスしやすさも重要です。下に、スマホでのメニュー表示を示します。今回は以下のメニューより下から2番目の「被災状況」を選択します。

kintone のメニュー画面、大きな表示で選択しやすくなっている。

被災状況を選択すると、LINEのような画面が開き、スマホの内部カメラで写真をアップし、さらにコメントを入力することができます。以下に2019年の台風15号が横浜に来たときの書き込みの例を紹介します。

2019年の台風15号が横浜付近に来た際、台風の目が最接近した時(4:45)に書き込みました。外出は大変危険なので自宅でスマホの表示を画面コピーしています。

このように災害が発生した際に、メンバーが書き込むことで被災状況の共有ができるようにしています。

この機能を運用する際に、十分注意することがあります。それは、災害が発生している時、現場の状況を中継するのは危険を伴うことです。また、本会の目的(通信ボランティア)からも外れることになります。そのため、災害の危険性が無くなった後に「メンバー安全のために被害状況を共有する」ことが主目的となります。また、この書き込みが義務ではないことをメンバーに知らせることも重要なポイントとなります。

これまでは実際に被害が生じていないため、試験段階であり運用実績はありません。今後も機能のブラッシュアップを図るとともに、将来的には近隣地区との情報共有もできるといいのかもしれません。

MATLAB で50MHz Vダイポールアンテナを設計してみた

MATLAB Antenna Toolbox の中に入っている Antenna Designer を使って、50MHz Vダイポールアンテナを設計してみました。Vダイポールアンテナは非常に簡単な構成となっており、設計に難しい点はありません。MATLAB はR2020bを使用しています。

Antenna Designer の画面( MATLAB R2020b Antenna Toolbox )

Antenna Designer のアンテナ設計の画面に必要なパラメータを入力すると、上図のような設計結果が表示されます。この画面は、様々な表示方法をとれます。使い方については、今後紹介していきたいと思います。

Vダイポールアンテナは、非常に単純なアンテナなので、上記のようにシンプルな解が得られます。

アンテナのインピーダンス(実部と虚部に分けて表示される)

アンテナのインピーダンスが実部と虚部に分けて表示されています。50MHzでは約70オームで共振していることがわかります。このため、複雑なマッチング回路が無くても大丈夫そうだと言うことがわかります。複雑なアンテナのマッチング回路は複雑となるので、別の機会に説明したいと思います。

Vダイポールアンテナの電流分布

Vダイポールアンテナの電流分布を示しています。教科書通りですね。

3D表示のパターン図

アンテナの3Dパターン図です。これも教科書通りですね。

今回はAntenna Designer を用いてアンテナ設計ができることを紹介しました。設計したアンテナはVダイポールアンテナなので、わざわざこのツールを使う必要はありませんが、より複雑なアンテナの設計には真価を発揮します。今後、紹介して行きたいと思います。

小型リチウムイオン電池を使い7分でお湯が沸いた?

「出力50Wのハンディトランシーバ」の投稿で使用していたリチウムイオン電池は瞬間の大出力が得意なので、今回は、「この時のリチウムイオン電池でお湯を沸かしてみた」という報告をしたいと思います。

実験に使用したリチウムイオン電池はFT857DMの下にある白いボックスです。今回はこのリチウムイオン電池を使用して電熱器でお湯を沸かす実験を行いました。
リチウムイオン電池の出力を12V → AC100V/500Wのインバータに接続し、その電流を電流計で測定します。インバータからの交流出力は左下の電熱器に接続し、その上に鍋を置いてお湯を沸かしています。

少しアマチュア的な実験になっていますが、上の写真のような構成でAC100Vに昇圧した後に、電熱器でお湯を沸かすという構成にしました。

電流計の読みから出力電流は38Aですが、電池セルは2.9Ahですので、13Cの出力になります。出力電力は約450Wとなります。7分くらいで沸騰直前まで行きましたが、そこで放電終了となってしまいました。

この電池は内部抵抗が極めて小さく、このように大出力を取り出しても電圧降下が起きません。そのため、SSBの運用などに向いていると思います。市販されている12V給湯器の多くは30分以上かかりますので、大幅な時間短縮になっていますが、電池容量が持たないのでこの用途ではあまり実用的ではありません。

今回の実験は、大電流を流すための対策(接触抵抗の低減)を行って実験をしていますが、別の電池でも同様の実験ができるとは限りません。思わぬ事故を起こさないために、実験を行う際には、接触抵抗などには十分注意して行ってください。

この電池はCQ出版社で扱っていますので、興味がある人はそちらを見てください。

MATLABで電波伝搬シミュレーション(移動運用編)

最近は、新型コロナの関係でなかなか移動運用に行けませんが、移動運用に行った際に目的とする場所と通信できるかどうかあらかじめ確認できると助かることがあります。そのため、今回はMATLAB でシミュレーションしてみることとしました。(MATLAB R2020bを使用)

MATLAB は各種の科学技術のシミュレーションができるツールですが、今回の電波伝搬シミュレーションは、MATLAB とアンテナ関連のシミュレーションを行うことができる Antenna Toolbox を使用しました。

Antenna Toolbox はアマチュア無線用ではなく、レーダの設計や衛星通信、さらには5G携帯電話のサービスエリア計算などを想定されて作られており、それらへの応用例が多いです。しかし、アマチュア無線でもそのまま使えますので、今回はアマチュア無線の移動通信用シミュレータとして使ってみました。

今回の例では、これまでに何回か移動運用を行っている滝知山展望台から西方向へ430MHz FMで通信を行うことを想定します。これまでは、焼津市より西との交信が難しいことが多かったので、浜松市と通信ができるか確認してみます。

まず、送信ポイントを滝知山パーキングを設定します。出力は10W、10mHの所にダイポールアンテナ相当のアンテナを立てます。

滝知山展望台

次に浜松駅前(仮)に20mHのアンテナを仮定します。実際にはこんな所にアンテナは立てません。

浜松市(浜松駅前)

MATLAB で電波の伝搬損失を計算します。

送信アンテナと受信アンテナを設定し、伝搬損失を計算。通信は無理であるという判定なので赤い線となっている。

伝搬損失計算をした結果、受信点までの距離は126.8km、 受信点の信号強度は-120.7dBm となり、-100dBmまでの受信が可能であるとすると、20.7dB足りないという結論になります。間にある牧之原台地の影響が大きいと思われます。

その結果、アンテナゲインが21dB以上(実際には余裕を含めて30dB程度)必要だという結論になります。これを元にアンテナを選ぶ必要があります。また、伝搬経路の選択(富士山での反射)なども検討する必要があります。下の写真は滝知山展望台の風景です。

今回のシミュレーションは初歩的なシミュレーションとなっていますが、MATLAB Antenna Toolbox は非常に高度なシミュレーションができます。今後はさらに高度なシミュレーションも紹介して行きたいと思います。

非常通信協力会の情報共有にサイボウズのkintoneを使ってみた

非常通信協力会・都筑区支部の情報共有にサイボウズのkintone を使っているのでその概要をお知らせします。

サイボウズのkintone は、コロナ下でのテレワークに活用が期待される情報システムで、スマホやパソコンでどこにいても業務が効率的に行えるという特徴があります。我々の団体も外での活動がほとんどなので、スマホでの活用をメインに考えています。最近はテレビCMもされているので知っている方も多いかもしれません。

非常通信協力会・都筑区支部では、kintone の非営利団体向け特別ライセンス(チーム応援ライセンス)を適用してもらい、非常に安価で活用させていただいています。具体的な活用法は今後紹介していきたいと思いますが、平時の避難所の備品管理や災害発生時の災害情報交換を想定しています。会の性質上、災害発生時は無線トランシーバを使った情報伝達が主になりますが、インターネットが使える時の情報交換には活躍することが期待されます。

訓練の様子です。(外での訓練がメイン)

kintone のアプリ開発画面です。あらかじめ企業活動に応じたアプリが用意されており、GoogleやAWSなどに比べ、非常に簡単かつ短時間に業務に適用ができます。我々のような非営利団体では、あらかじめ用意されたアプリは活用できず、最初から作りました。下に、アプリ開発時の画面の写真を示します。

kintoneのアプリ開発の画面(業務ごとに数多くの例があります)

どのような、アプリを作ったかは今後紹介して行きたいと思います。アイディアがあれは独自のアプリ開発を行い、業務効率の大幅な向上もできると思います。作成したアプリ(システム)を運用していくのは別の難しさはありますが、アイディアで乗り切っていけたらと思っています。下の写真はサイボウズのオフィスです。今まで見たことのないオシャレなオフィスでした。

サイボウスのオフィス、喫茶コーナー、売店(ワゴン)、ぬいぐるみなどがあります。

出力50Wのハンディトランシーバ?

出力50Wのハンディトランシーバ?

FT857DMをリチウムイオン電池で運用しています。

現在、移動運用のみならず、自宅での運用の時もFT857DMの下に置いたリチウムイオン電池で運用しています。

移動の時は車のバッテリのことを気にせず運用できます。ただ、夏の高温の車内はおすすめできません。(リチウムイオン電池全般に言えることですが・・)

FT857自体が重いのでなかなかハードですが、リュックの中に入れて50Wハンディトランシーバ?として動作させられます。

固定での運用も大型電源なしで1年以上運用していますが、問題は起きていません。(電源線が短いので電線での電圧降下もありません)。

また、この電池はマイナス温度でも動作できるようなので、冬の移動運用される方はいいかもしれません。(今のところこの予定はありません。)

このバッテリの欠点は、値段が高いことです。また私は気になりませんが電圧も若干低めです。

CQ出版で販売されてますので気になる方はWebページをご覧ください。

このバッテリについては今後も追加レポートしたいと思います。

ブログを再開しました

ブログを再開しました

長い間ブログをお休みしていましたが、WordPress の学習も兼ねて再開しようと思います。

WordPress の改良も進んでおり、これまで通りのブログづくりとはいかないようです。

様々な機能を試しつつ進めたいと思いますのでよろしくお願いします。

太陽フレアにも関わらず短波帯がEスポで賑わっていました。

太陽フレアの発生による磁気嵐で、短波帯の通信が困難になっているかと思っていましたが、意外にもEスポの発生で賑わっていました。

特にハイバンド、18MHz, 21MHz, 28MHzが楽しめました。久しぶりに29MHz, FMも聞くことができました。

ただ、少しフェージング(QSB)が大きい感じがありましたので、この部分だけは磁気嵐の影響を感じました。

災害発生時に使用する非常通信周波数4630kHzを使えるようにしました。

最近は、豪雨や地震などの災害が多いですね。いざという時に役立つように無線機の非常通信周波数4630kHzを使えるようにしました。

この非常通信周波数は条約(法律)で定められた非常通信専用の周波数で通信の相手方は、アマチュア局ではありません。通信方式は、モールス通信のみが許可されます。重大な災害が発生して非常自体が発生した場合に、助けを求めることができます。

総務省に申請して免許を受けているので、送信もできますが、当面は受信のみやってみようと思っています。アンテナはロングワイヤ+アンテナチューナです。

FT817NDで非常通信周波数を設定