カテゴリー: 無線を楽しむ

小型リチウムイオン電池を使い7分でお湯が沸いた?

「出力50Wのハンディトランシーバ」の投稿で使用していたリチウムイオン電池は瞬間の大出力が得意なので、今回は、「この時のリチウムイオン電池でお湯を沸かしてみた」という報告をしたいと思います。

実験に使用したリチウムイオン電池はFT857DMの下にある白いボックスです。今回はこのリチウムイオン電池を使用して電熱器でお湯を沸かす実験を行いました。
リチウムイオン電池の出力を12V → AC100V/500Wのインバータに接続し、その電流を電流計で測定します。インバータからの交流出力は左下の電熱器に接続し、その上に鍋を置いてお湯を沸かしています。

少しアマチュア的な実験になっていますが、上の写真のような構成でAC100Vに昇圧した後に、電熱器でお湯を沸かすという構成にしました。

電流計の読みから出力電流は38Aですが、電池セルは2.9Ahですので、13Cの出力になります。出力電力は約450Wとなります。7分くらいで沸騰直前まで行きましたが、そこで放電終了となってしまいました。

この電池は内部抵抗が極めて小さく、このように大出力を取り出しても電圧降下が起きません。そのため、SSBの運用などに向いていると思います。市販されている12V給湯器の多くは30分以上かかりますので、大幅な時間短縮になっていますが、電池容量が持たないのでこの用途ではあまり実用的ではありません。

今回の実験は、大電流を流すための対策(接触抵抗の低減)を行って実験をしていますが、別の電池でも同様の実験ができるとは限りません。思わぬ事故を起こさないために、実験を行う際には、接触抵抗などには十分注意して行ってください。

この電池はCQ出版社で扱っていますので、興味がある人はそちらを見てください。

MATLABで電波伝搬シミュレーション(移動運用編)

最近は、新型コロナの関係でなかなか移動運用に行けませんが、移動運用に行った際に目的とする場所と通信できるかどうかあらかじめ確認できると助かることがあります。そのため、今回はMATLAB でシミュレーションしてみることとしました。(MATLAB R2020bを使用)

MATLAB は各種の科学技術のシミュレーションができるツールですが、今回の電波伝搬シミュレーションは、MATLAB とアンテナ関連のシミュレーションを行うことができる Antenna Toolbox を使用しました。

Antenna Toolbox はアマチュア無線用ではなく、レーダの設計や衛星通信、さらには5G携帯電話のサービスエリア計算などを想定されて作られており、それらへの応用例が多いです。しかし、アマチュア無線でもそのまま使えますので、今回はアマチュア無線の移動通信用シミュレータとして使ってみました。

今回の例では、これまでに何回か移動運用を行っている滝知山展望台から西方向へ430MHz FMで通信を行うことを想定します。これまでは、焼津市より西との交信が難しいことが多かったので、浜松市と通信ができるか確認してみます。

まず、送信ポイントを滝知山パーキングを設定します。出力は10W、10mHの所にダイポールアンテナ相当のアンテナを立てます。

滝知山展望台

次に浜松駅前(仮)に20mHのアンテナを仮定します。実際にはこんな所にアンテナは立てません。

浜松市(浜松駅前)

MATLAB で電波の伝搬損失を計算します。

送信アンテナと受信アンテナを設定し、伝搬損失を計算。通信は無理であるという判定なので赤い線となっている。

伝搬損失計算をした結果、受信点までの距離は126.8km、 受信点の信号強度は-120.7dBm となり、-100dBmまでの受信が可能であるとすると、20.7dB足りないという結論になります。間にある牧之原台地の影響が大きいと思われます。

その結果、アンテナゲインが21dB以上(実際には余裕を含めて30dB程度)必要だという結論になります。これを元にアンテナを選ぶ必要があります。また、伝搬経路の選択(富士山での反射)なども検討する必要があります。下の写真は滝知山展望台の風景です。

今回のシミュレーションは初歩的なシミュレーションとなっていますが、MATLAB Antenna Toolbox は非常に高度なシミュレーションができます。今後はさらに高度なシミュレーションも紹介して行きたいと思います。

出力50Wのハンディトランシーバ?

出力50Wのハンディトランシーバ?

FT857DMをリチウムイオン電池で運用しています。

現在、移動運用のみならず、自宅での運用の時もFT857DMの下に置いたリチウムイオン電池で運用しています。

移動の時は車のバッテリのことを気にせず運用できます。ただ、夏の高温の車内はおすすめできません。(リチウムイオン電池全般に言えることですが・・)

FT857自体が重いのでなかなかハードですが、リュックの中に入れて50Wハンディトランシーバ?として動作させられます。

固定での運用も大型電源なしで1年以上運用していますが、問題は起きていません。(電源線が短いので電線での電圧降下もありません)。

また、この電池はマイナス温度でも動作できるようなので、冬の移動運用される方はいいかもしれません。(今のところこの予定はありません。)

このバッテリの欠点は、値段が高いことです。また私は気になりませんが電圧も若干低めです。

CQ出版で販売されてますので気になる方はWebページをご覧ください。

このバッテリについては今後も追加レポートしたいと思います。

太陽フレアにも関わらず短波帯がEスポで賑わっていました。

太陽フレアの発生による磁気嵐で、短波帯の通信が困難になっているかと思っていましたが、意外にもEスポの発生で賑わっていました。

特にハイバンド、18MHz, 21MHz, 28MHzが楽しめました。久しぶりに29MHz, FMも聞くことができました。

ただ、少しフェージング(QSB)が大きい感じがありましたので、この部分だけは磁気嵐の影響を感じました。

災害発生時に使用する非常通信周波数4630kHzを使えるようにしました。

最近は、豪雨や地震などの災害が多いですね。いざという時に役立つように無線機の非常通信周波数4630kHzを使えるようにしました。

この非常通信周波数は条約(法律)で定められた非常通信専用の周波数で通信の相手方は、アマチュア局ではありません。通信方式は、モールス通信のみが許可されます。重大な災害が発生して非常自体が発生した場合に、助けを求めることができます。

総務省に申請して免許を受けているので、送信もできますが、当面は受信のみやってみようと思っています。アンテナはロングワイヤ+アンテナチューナです。

FT817NDで非常通信周波数を設定

短いEスポ発生時間にも間に合う組み立てが簡単な50MHzデルタループアンテナ

最近、50MHzのEスポの発生が続いていますが、コンディションがいまいちなのか、Eスポの継続時間が短いことが多いですね。

そのため、移動運用の際にセッティングが終わりいざ交信という時に、Eスポが終わっていたということも珍しくありません。

今回のデルタループアンテナはアンテナ本体を数分程度で組み立てられ、ポールは釣竿、台はカメラ用三脚を使い、こちらも数分で組み立てられられます。

そのため、いざという時にチャンスを見逃すことも少なくなります。

また、三脚の開きが広いので、ある程度の強風でも使うことが可能となっています。興味がある方は、是非ためしてみてください。

50MHz用デルタループアンテナ

車のサブバッテリーシステムその2

前回紹介したサブバッテリーシステムを車のシート下に搭載しました。前回と異なる点は鉛バッテリー以外にリチウムイオン電池も搭載した点です。

両方の電池を走行中に充電することができ、それぞれの電池から12V電源が供給されます。また、USB電源も供給できるので、スマホの充電も可能です。

それぞれ、12Ah, 23Ahの容量があるので、十分な容量が確保できます。これまでに何回か使っていますが、今の所問題は出ていません。

これから旅行の季節になるので、活躍してくれることを期待しています。

シート下のボックスに収納したサブバッテリーです。そのまま持ち出すこともできます。

頂き物の縦振り電鍵

アンテナのオマケとして頂いた、縦振り電鍵(モールス通信をするためのもの)をレストアし、使ってみました。

元々数十年前に使っていたのと同じものなので非常に使いやすく、その意味では、気に入っています。

しかし非常に大きく、無線機と同じくらいなので、なかなか悩ましいですね・・・

右側が縦振り電鍵

パイルアップの中QRPで香港と交信できました。

今日、21MHz SSB、QRP運用で香港の局(VR2USJ)と交信できました。

この局は、日本の方が香港に行って運用しており、日本語のオペレーションだったので、日本中から呼ばれており、出力の小さいQRPで交信するのは、難しいかと思いました。

大出力・大アンテナの人達に打ち勝って、海外の局と交信するのは大変ですが、何回か呼んで内に交信することができました。

QRPでも呼ぶタイミングなどで、交信できることがありますので、試してみてください。