依頼を受けてアマチュア無線をリモートコントロールすることを考えてみました。今回のシステムは大型のビルの屋上にアンテナを設置し、最上階に無線機を置くものです。これにより短い同軸ケーブルでアンテナに接続でき、UHF帯(430MHz)でもロスを減らすことができます。
ただ、実際に運用する部屋は1Fまたは2Fと低い階になるので、その間をLANなどで接続しリモートコントロールすることになります。リモートコントロールシステムとしては各社から様々なものが売られているので、それらの中から選択することになります。
ここで問題となるのはリモートコントロールのために無線機とパソコン(ラズパイ)などと接続している線(LAN, USB, RS232等)です。無線機から見るとこの線は恰好のアンテナになってしまい、ここから出た不要輻射によってパソコンが誤動作したり、他の重要な機器に悪影響を及ぼしたりします。
この対策としては、まずアンテナからの反射を減らすことです。アンテナとのマッチングを可能な限り良くし、SWRを1に近づけます。これにより不要輻射が減り、電波は効率よくアンテナに送られます。
次に重要になるのが、リモートコントロール用の線や電源ラインからのコモンモードノイズの低減です。これにより、無線機につながれた電線からの不要輻射が減ります。いろいろな方法があると思いますが、やはりコストから考えるとフェライトを使ったコモンモードフィルタだと思います。この時、フェライト材には様々な特性のものが売られていますので、最適なものを選択することが重要になると思います。
また、無線機に接続した電源の内部抵抗はできるだけ低いものが望ましいと考えます。電源の内部抵抗が大きいと電波が歪み結果的に、不要輻射が増えることがあります。
よくあるリモートコントロールシステムの記事と異なった観点での報告になってしまいましたが、リモートコントロールをお考えの方の参考になればと思います。なお、この記事は性能の保証をするものではありませんので注意してください。